【コピペOK】Geminiで銀行明細のCSV化が秒速!freee会計への手入力を自動化する神プロンプト

「freee会計は便利だけど、一部の銀行明細を手入力するのが面倒…」
「毎月の通帳記帳やデータ入力に時間がかかって、本業に集中できない…」
個人事業主の方や中小企業の経理担当者様から、このようなお悩みをよくお伺いします。
特に、インターネットバンキングに未対応の金融機関(一部の信用金庫やJAバンクなど)をご利用の場合や、過去の取引データを遡って入力したい場合、紙の通帳やPDF明細を見ながら一件ずつ手作業で入力するのは、本当に骨の折れる作業ですよね。
しかし、ご安心ください。その面倒な作業、Googleの無料AI「Gemini」を使えば、劇的に効率化できる可能性があります。
この記事では、銀行明細の画像をアップロードするだけで、freee会計に取り込めるCSVデータの元となる情報を一瞬で作成する方法を、具体的なプロンプト(AIへの指示文)と合わせてご紹介します。
なぜfreee会計への「手入力」が発生するのか?
freee会計の大きな魅力の一つは、銀行口座やクレジットカードを連携させることによる「自動で経理」機能です。しかし、前述の通り、以下のようなケースでは手作業でのデータ入力が必要になります。
- ネットバンキングに未対応の金融機関を利用している
- 紙の通帳でしか取引履歴を確認できない
- システム連携以前の、過去の取引データを入力したい
これらの手入力作業は、時間がかかるだけでなく、入力ミスや転記漏れといったヒューマンエラーの原因にもなりかねません。
経理の救世主!AI OCRツールとしての「Gemini」
そこで活躍するのが、Googleが開発した高性能AI「Gemini(ジェミニ)」です。
Geminiには、画像に写っている文字や数字を読み取って、テキストデータに変換する「AI OCR」という機能が備わっています。
この機能を活用すれば、スマホで撮影した通帳の画像や、銀行からダウンロードした取引明細のPDFから、取引日・金額・取引内容といった必要な情報だけを正確に、かつ自動で抽出できるのです。
【最重要】始める前に!セキュリティ設定を必ず確認しましょう
非常に便利なGeminiですが、銀行の取引明細という機密性の高い個人情報を扱います。安全に利用するために、実践する前に必ず以下の設定を行ってください。
デフォルト設定のままでは、入力した内容がAIの品質向上のために学習データとして利用されてしまう可能性があります。これを防ぐため、「Geminiアクティビティ」をオフにします。
- Geminiのサイトにアクセスします。
- 左側のメニュー下部にある**「設定(歯車マーク⚙)」**をクリックします。
- **「Geminiアプリ アクティビティ」**をクリックします。
- アクティビティ管理画面が表示されたら、**「オフにする」**を選択し、確認画面でもう一度「オフにする」または「オフにしてアクティビティを削除」をクリックします。
これで、今後の対話内容がAIの学習に利用されなくなります。銀行明細のようなプライベートな情報を扱う際は、この設定を必ず有効にしてから利用するようにしてください。
【※補足:Google Workspaceをご利用の場合】
法人や組織でGoogle Workspace(Gemini for Google Workspace, Gemini Business/Enterpriseなど)をご契約の上でGeminiを利用している場合、入力したデータがAIの学習に利用されることはなく、組織内のデータとして強固なセキュリティで保護されるとGoogleが公式に定めています。
そのため、Google Workspace環境でGeminiをご利用の方は、基本的に上記のアクティビティオフ設定は不要です。 本記事でご説明しているセキュリティ設定は、主に個人向けの無料版Geminiをご利用のケースを想定しています。
【実践編】Geminiで銀行明細データを一括作成する3ステップ
セキュリティ設定が完了したら、いよいよ実践です。手順は簡単3ステップです。
Step1:銀行明細を準備する
紙の通帳や取引明細書を、スマートフォンのカメラで撮影するか、スキャナーでPDFファイルとして取り込みます。
(ネットバンクの取引明細PDFでも同様の対応が可能です)
【ポイント】 明るい場所で、影が入らないように、まっすぐ鮮明に撮影・スキャンしましょう。画像が不鮮明だと、AIの読み取り精度が落ちてしまう可能性があります。
Step2:Geminiに「神プロンプト」を貼り付ける
後述する**「そのまま使える!freee会計連携用『神プロンプト』」**をコピーし、Geminiの公式サイトを開いて、入力欄に貼り付けます。
Step3:画像をアップロードして実行!
プロンプトを貼り付けたら、クリップのアイコン(ファイルを追加)をクリックし、Step1で準備した明細の画像をアップロードします。あとはGeminiが自動でデータを抽出・生成してくれるのを待つだけです。
そのまま使える!freee会計連携用「神プロンプト」
以下のプロンプト(指示文)をコピーして、Geminiに貼り付けてご活用ください。
あなたは会計業務支援のためのAI OCRツールです。
以下の目的で処理を行ってください:
【目的】
画像内の口座明細から、freee会計に利用できるCSVデータの元情報(取引日・出金額・入金額・残高・取引内容)を正確に抽出してください。
【入力画像】
スキャンされた口座明細のPDFまたは画像(表形式)
【出力形式(CSVに変換可能なテキスト形式)】
次のヘッダーを用い、表形式で出力してください:
・日付形式は YYYY-MM-DD
に統一してください
・金額はカンマなしの数値で、単位は「円」とし、省略された単位は明記不要です
・円未満の端数があれば四捨五入せずにそのまま出力してください
【検証要件】
次の検証を自動で行い、出力と共にエラーレポートを返してください:
- 日付形式がすべて YYYY-MM-DD 形式で統一されているか
- 出金額と入金額と残高の金額が数値として正しく読み取られているか(全角/文字混入がないか)
- 行数と合計金額を元画像と照合して一致しているか(合計値表示がある場合)
【補足ルール】
・行によって元金返済額の記載がない、または「-」「/」などの記号がある場合は「0」と記載してください
・日本の金融機関は和暦で表示するケースが多いためYYYY-MM-DD形式に変換する際には西暦表記に変換してください(例:R7-06-30→2025-06-30)
・確認を要する箇所は明示してください(例:金額不鮮明、日付欠損など)
【出力例:取引日】
取引日
2025-04-30
2025-05-30
【出力例:出金額】
出金額
0
157327
【出力例:入金額】
入金額
370000
0
【出力例:残高】
残高
48669
329142
【出力例:取引内容】
取引内容
AD
シヤカイホケンリヨ
【エラーレポート出力例】
検証レポート:
・行5:取引日が「25/07/31」となっており不正確です。YYYY-MM-DD形式に修正してください
・行8:出金額が「五万円」となっています。数値に変換してください(→ 50000)
・合計検証:画像内合計と抽出値合計が一致しました(OK)
なぜこのプロンプトが有効なのか?ポイントを解説
このプロンプトには、AIから精度の高い回答を引き出すための工夫が詰まっています。
- 役割の指定: 「あなたは会計業務支援のためのAI OCRツールです」と役割を与えることで、Geminiは会計データ作成に特化したアシスタントとして機能し、回答の精度が向上します。
- 明確な目的と出力形式: 「freee会計に利用できるCSVデータ」「日付は
YYYY-MM-DD
形式」など、目的とアウトプットの形式を具体的に指示することで、後工程での手直しが不要なデータを生成させます。 - 自動検証の仕組み: 「検証要件」を組み込むことで、AI自身に「日付形式は正しいか?」「金額は数値になっているか?」といった間違いをセルフチェックさせ、レポートを出力させることができます。これにより、人間の確認作業を大幅に削減できます。
- 細かいルールの設定: 和暦から西暦への自動変換や、空欄・記号を「0」に変換するなど、日本の商習慣や会計ソフトの仕様に合わせたルールをあらかじめ指定することで、より完成度の高いデータを作成できます。
【上級編】カスタム指示(Gems)でもっと便利に!
この作業を繰り返し行う場合、毎回長いプロンプトをコピー&ペーストするのは少し手間です。そこで、Geminiの**「Gems」**という機能を活用しましょう。
「Gems」は、特定の目的に合わせた自分だけのGeminiを作成できる機能です。ここに先ほどのプロンプトを登録しておくことで、ワンクリックで「会計明細読み取り専用Gemini」を呼び出すことができます。
- Geminiのサイトの左側メニューにある**「Gemを表示」→「Gemを作成」**をクリックします。
- 「Gemに名前を付ける」の欄に「freee会計 明細読み取り」など、分かりやすい名前を付けます。
- 「カスタム指示」の欄に、先ほどの「神プロンプト」全文を貼り付けます。
- 右上の**「保存」**をクリックし、「自分のみ」に共有設定をして完了です。
次回からは、Geminiの左側メニューに作成したGemが表示されるので、それをクリックして画像をアップロードするだけで、すぐに明細の読み取りが開始できます。
ご利用上の注意点
- 画像の品質が精度を左右します。 前述の通り、不鮮明な画像では読み取り精度が落ちるため、できるだけ綺麗な画像をご用意ください。
- 100%の精度ではありません。 AIは非常に優秀ですが、完璧ではありません。特に、手書きのメモが書き加えられている場合や、印字がかすれている場合は、誤認識する可能性があります。
- 最終確認は必ず人間の目で。 Geminiが出力したデータは、必ず元の明細画像と照合し、特に日付と金額に間違いがないか最終チェックを行ってください。そのデータをもとに、freee会計指定のCSVフォーマットに貼り付けてアップロードしましょう。
まとめ:AIを活用して、バックオフィス業務をもっと賢く
今回は、Geminiを活用して銀行明細のデータ化を効率化する方法と、それを安全・便利に使うための設定をご紹介しました。
テクノロジーを賢く利用することで、経理業務の負担を減らし、より付加価値の高いコア業務に時間を使うことができます。
まずは一度、お手元にある銀行明細でこの方法を試してみてはいかがでしょうか。
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